梅毒とは細菌による感染症のことで、性感染症の1種です。
梅毒の患者は増加傾向にあり、幅広い年齢層に発症がみられます。
性感染症の中でも梅毒は、全身症状を引き起こすという特徴があります。
早期治療で治すことができますが、症状が進行すれば脳梗塞や神経障害などの重症にまで発展します。
梅毒は大人だけではなく、母親の感染が胎児にも感染することで先天梅毒して症状が現れるようなケースもあります。
梅毒は決して日本だけにみられる症状ではなく、世界的に流行していた時期もあります。
決して不治の病ではなく、1943年に治療に成功したのですが、1960年代には世界中で大きな流行をみせるなど、治療法がある一方で、流行をみせることもあります。
日本においても近年増加傾向がみられます。
性行為による感染が確認されていますが、梅毒に気付かずに性行為に及び、パートナーを感染させてしまうケースも見受けられます。
梅毒は、トレポネーマ・パリダムという細菌に感染することで発症します。
感染経路は、保菌者の粘膜や皮膚との直接接触です。
基本的には性行為によって感染することが多く、オーラルセックスやキスでも感染する可能性があります。
また、先天梅毒として母体からの感染によって胎児が感染しているというケースもあります。
この場合は早産や死産のリスクが高まることや、出産に問題がなくても成長段階で発病する可能性もあります。
初期症状は男女で異なります。
女性の場合、子宮頸部、大陰唇、小陰唇周辺に潰瘍ができますが、痛みは感じにくいです。
そのため、しこりを感じるのみの潰瘍がある場合は要注意です。
また、鼠径部に潰瘍ではないものの、腫れが生じるケースもあります。
男性の場合、亀頭、陰茎、さらにはその間である冠状溝や男性器周辺の皮膚に硬結ができます。
女性と比較すると確認しやすいことから、目視でしこりが確認できた場合には梅毒の可能性があります。
梅毒の症状は感染から3~13週の潜伏期間後に現れ、症状は時期によって4つに分類されます。
感染から3カ月内の「第1期」では、感染部位にしこりができるケースがあります。
股周辺のリンパが腫れるようなこともありますが、痛みは少ないので、気付かないことも少なくありません。
また、それらのしこりが硬くなり、硬性下疳と呼ばれるへこんだ潰瘍ができることもあります。
大きさにすると3mmから3cm程度ですが、痛み・痒みを感じないだけではなく、時間と共に消えてしまうこともあるので、初期症状に気付きにくいです。
感染から3年内の「第2期」では、手のひら足の裏、体に赤い発疹が現れます。
しかし、数週間で発疹は消えてしまうようなことがありますが、菌は体内に潜伏した状態です。
他にも発熱や倦怠感、リンパ腺の腫れ、湿疹等、全身に症状がみられるようになります。
これは梅毒の菌が血液を通して全身に運ばれてしまうためです。
第2期も梅毒との自覚症状は難しいのですが、体の異変には気付きやすいです。
そして、感染から10年内の「第3期」になると、ゴム腫と呼ばれるゴムのように硬い腫瘍が体中に現れます。
既に、梅毒が重症化しており、皮膚だけではなく骨や筋肉など、場所を問わずに症状が現れます。
また、ゴム腫が周辺細胞を攻撃し、破壊することで梅毒の症状を進行させる特徴がありますが、治療法が確立されている現代社会では、第3期まで進行させてしまうケースは稀です。
ここで治療しなければ、「第4期」となる脳梗塞や心不全、神経障害など命に係わる病気を引き起こすことになります。
また、心臓血管や中枢神経が攻撃されることで動脈瘤や大動脈破裂を引き起こしたケースもあります。
この状況まで進行させてしまうと、生命の危機だけではなく、完治が難しいです。
梅毒治療を行うことで生命を取り留めることができても、後遺症に悩まされる可能性が高いといわれていますが、先にもお伝えしたように、既に治療法が確立されている現代社会では第4期まで進行することは稀です。
問診と診察によって梅毒が疑われると判断した場合、検査を行います。
血液検査によって血中の抗体を確認する方法と、患部から細菌を取り出して培養検査する方法があります。
感染したかもしれないという場合でも、感染から4週間は経っていなければ確認は難しくなっています。
銀座にある当院の泌尿器科では梅毒の検査も行っておりますので、ご相談ください。
また、梅毒の場合はパートナーも感染している可能性もあるので、一緒に検査・治療することをおすすめします。
梅毒は自然治癒しません。
風邪や発熱のように、安静にしていることで改善する症状ではなく、薬を用いた治療でなければ完治・治癒はしません。
一時的に体調が楽になるなど、回復の兆しをみせることもありますが、決して梅毒が完治したのではなく、一時的に軽減されているだけにすぎません。
しかし、決して難しい治療ではありません。
「自然治癒しない」と聞くと、治療が困難な症状を連想してしまうかもしれませんが、投薬治療を行うことで根治が可能です。
梅毒の治療では、主にペニシリン系の抗生剤を用います。
ただし、ペニシンアレルギーがあるような場合には、別の抗生物質が処方されます。
1日3回の服用を数週間続け、再検査を行います。
薬の服用によって症状が消えたからといって菌がいなくなったというわけではないので、医師の指示に従って服用を続けてください。
投薬のみなので患者の負担は少ないです。
第2期の場合は8週間、第3期まで進行している場合でも12週間ほどの投薬治療にて完治しますが、治療中も一時的に症状が緩和したり、あるいはみられなくなることで完治したと錯覚してしまうケースもあります。
しかし、自己判断で投薬治療を止めることで、症状の悪化を招くことになります。
また、一度の診断で治療に必要なすべての薬が処方されるのではなく、経過観察のために必要な量の処方を行うケースが一般的なので、診察時に処方してもらった薬がなくなった時に体調が良いと「もう大丈夫」と自己判断してしまう方もいらっしゃいます。
しかし、あくまでも経過観察のための処方になりますので、自己判断で治療を終了させるのではなく、必ず医師の指示に従いましょう。
一時的に状態が良好になっても、水面下で進行する点も梅毒の特徴です。
治療終了後は血液検査による治療判定を行うこともあります。
血中の梅毒トレポネーマ抗体量を測定できるRPR法による血液検査が一般的ですが、RPR法による治療判定にて理想とされる陰性数値を示すケースは稀です。
これは血液検査はもちろんですが、様々な条件・数値にて結果判定することから、少々複雑なスコアリングをするためとされています。
性行為によって感染が広がる可能性があるので、治療中は性行為を控えるようにしましょう。
また、梅毒は免疫を持つことができませんので、一度治療を受けて完治させたとしても、再度感染する可能性があります。
そのため、梅毒が完治した後は、予防にも力を入れる必要があります。
梅毒を予防するためには、不特定多数のパートナーとの性的接触を控えることが大切です。
梅毒ではないパートナーとの性的交渉・接触は梅毒リスクはありません。
つまり、パートナーが梅毒ではないと知ることも梅毒の予防策です。
粘膜感染が多いのでコンドーム等の避妊具にて感染の予防も可能ではありますが、梅毒はキス、あるいはオーラルセックスでも感染リスクがあるとされていますので、避妊具のみで完全な予防は難しいでしょう。
そのため、不特定多数のパートナーとの性的接触を控えることに加え、パートナーにも梅毒検査を受けてもらい、陰性だと証明することも予防策の一環です。
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