「子どもが咳をしているけど、これってマイコプラズマ肺炎かも…」
「家族にうつる確率はどれくらいなんだろう?」
このような不安を抱えていませんか。
マイコプラズマ肺炎は、長引く咳が特徴的な呼吸器感染症です。
特に子どもを中心に流行し、家庭内では約30~40%という高い確率で感染が広がることが報告されています。
この記事では、マイコプラズマ肺炎のうつる確率や感染経路、具体的な予防法まで、わかりやすく解説します。
銀座まいにちクリニックでは、できるだけ早く症状を改善へ導くために、丁寧に原因を探りながら診療を行なっています。
一人ひとりの症状や背景に合わせて、最適な治療方針をご提案します。
平日19時まで、土日祝も診療しています。 まずはお気軽にご来院ください。
監修医師紹介
銀座まいにちクリニック
院長
山本 悠太
【経歴】
2012年 慶應義塾大学医学部 卒業
2014年 佐野厚生総合病院にて初期臨床研修修了
2014年 慶應義塾大学医学部 内科学教室入局
2018年 慶應義塾大学病院にて後期臨床研修修了
2019年 銀座まいにちクリニック 開業
【資格】
内科認定医


マイコプラズマ肺炎は、「肺炎マイコプラズマ」という細菌に感染することで引き起こされる呼吸器感染症です。
マイコプラズマはウイルスのように他の生物の細胞の力を借りるのではなく、細菌と同じで自力増殖する能力を持っています。
そのため、感染すると体内で徐々に増殖し、気道や肺に炎症を引き起こします。
マイコプラズマ肺炎は幼児から成人まで幅広い年齢層で発症しますが、子どもに多い理由としては、以下の点が考えられます。
子どもに流行しやすい理由
ただし、子どもから親への家庭内感染が多く発生しています。
大人が感染すると、子どもより症状が重くなる傾向があるため注意が必要です。
マイコプラズマ肺炎は、症状が比較的軽めであることです。
マイコプラズマ肺炎の症状は、発熱や全身の倦怠感、頭痛、喉の痛みなどから始まり、その後、長く続く乾いた咳が特徴的です。
咳は熱が下がった後も3~4週間にわたって続くことがあります。
症状が軽いからといって油断せず、長引く咳がある場合は医療機関を受診することが大切です。

マイコプラズマ肺炎の感染確率は、接触の度合いや環境によって大きく変動します。
マイコプラズマ肺炎の主な感染経路は「飛沫感染」と「接触感染」のふたつです。
飛沫感染とは、感染者が咳やくしゃみをした際に、病原体を含んだ小さな飛沫(しぶき)が飛び散り、それを周りにいる人が口や鼻から吸い込んでしまうことで感染が成立します。
飛沫は約1メートルの範囲で飛散するため、至近距離での会話や、同じ部屋に長時間いるだけでも感染する可能性があります。
接触感染とは、感染者が咳やくしゃみを手で押さえた後、その手でドアノブや電車のつり革、スイッチなどに触れると、そこに病原体が付着します。
感染した人のせきのしぶき(飛沫)を吸い込んだり(飛沫感染)、感染者と接触したりすること(接触感染)により感染すると言われています。
マイコプラズマ肺炎は、飛沫感染や接触感染が中心であり、空気感染はしにくいとされています。
そのため、感染者から離れた場所にいる人への感染リスクは低いと考えられています。
ただし、換気の悪い閉鎖された空間では、飛沫が長時間空気中を漂うため、感染リスクが高まってしまいます。
マイコプラズマ肺炎は、以下のような場面で感染が広がりやすくなります。
感染が広がりやすい場面
特に、咳やくしゃみをする際に手で押さえたり、マスクを着用していなかったりする場合、周囲への感染リスクが高まります。
「咳エチケット」を守ることが、感染拡大を防ぐ重要なポイントです。
マイコプラズマ肺炎のうつる確率は、環境や接触の度合いによって大きく異なります。
家庭内での感染確率は非常に高く、二次感染率は約30~40%と報告されています。(※1)
家庭内で感染が広がりやすい理由は、以下の通りです。
特に子どもが感染した場合、親への感染リスクが非常に高いため、家庭内での感染対策が極めて重要です。
家族の一人が感染した場合は、タオルや食器の共用を避ける、こまめに消毒を行う、可能な限りマスクを着用するといった対策を徹底しましょう。
※1参考文献「国立感染症研究所 肺炎マイコプラズマ検査マニュアル」
学校や保育園などの集団生活の場では、マイコプラズマ肺炎が流行しやすい環境が整っています。
マイコプラズマ肺炎の感染力はインフルエンザほど強くありません。
しかし、潜伏期間が2~3週間と非常に長いため、感染したことに気づかないまま、じわじわと時間をかけて周囲に感染を広げてしまうリスクがあります。
マイコプラズマ肺炎は子どもに多い感染症ですが、大人も免疫がなければ感染します。
職場での感染確率は、家庭内ほど高くはありませんが、大人が感染すると、子どもより症状が重くなる傾向があります。
インフルエンザの潜伏期間が1~3日であるのと比べると、マイコプラズマに感染してから症状が現れるまでの潜伏期間は、通常2~3週間です。
この期間は無症状ですが、体内では菌が増殖しており、症状が出る数日前から菌を排出するようになります。
つまり、本人が感染に気づいていない間に、周りの人にうつしてしまう可能性があります。
マイコプラズマ肺炎の厄介な点は、症状が出る前から感染力がある場合があることです。
「元気だから大丈夫」と思っていても、実は周囲に感染を広げている可能性があります。
特に、家族にマイコプラズマ肺炎の患者がいる場合は、以下の点に注意しましょう。
マイコプラズマ肺炎の感染力は、咳が続く期間と密接に関係しています。
感染力がピークに達するのは、咳や発熱などの症状が現れてから約1週間です。
また、熱が下がり、つらい症状が改善した後も、菌は気道に潜伏し続けます。
症状が治ったからといってすぐに対策をやめるのではなく、咳が完全に治まるまでは手洗いや咳エチケットなどを継続することが、周囲への配慮として重要です。
家庭内での感染拡大を防ぐには、早期発見と適切な治療が鍵となります。
銀座まいにちクリニックは、内科・アレルギー科などを土日祝も診療。丁寧な診察で、あなたの不安に寄り添います。

マイコプラズマ肺炎は、年齢層や免疫の状態によって感染しやすさが異なります。
マイコプラズマ肺炎の感染リスクは、年齢によって大きく異なります。
マイコプラズマ肺炎は、特に5~14歳の学童期に多く発症します。
子どもの場合、痰の絡まない乾いた咳が3週間ほど続くのが特徴です。
発熱症状が数日間続き、その後咳症状があらわれます。
多くの場合は軽症で済み、日常生活を問題なく過ごせることもありますが、だからこそまわりへどんどん菌を拡散させてしまう可能性があります。
マイコプラズマ肺炎は子どもに多い感染症ですが、大人も免疫がなければ感染します。
大人が発症した場合、発熱症状は子どもと変わらず数日間続きます。
症状が悪化する可能性があり、咳が乾いた咳から湿った咳に変化し、息苦しいと感じるかもしれません。
過去に感染したことがあるからと油断せず、流行期には基本的な感染対策を怠らないようにしましょう。
多くは軽症で済むマイコプラズマ肺炎ですが、稀に重症化するケースもあります。
重症化しやすい人
これらの方々が感染すると、肺炎が重症化したり、合併症を引き起こしたりする可能性が高まります。
かつては、マイコプラズマ肺炎は4年周期で流行するとされていましたが、近年はおよそ3~7年ごとに大流行する傾向があると考えられています。
直近の2024年は、20週付近から報告数が増加し始め、第31~35週は、2014年以降最も多い水準で推移し、感染が広がっていきました。(※2)
-300x186.png)
海外でも、近年、世界の多くの地域で、マイコプラズマ肺炎の発生の増加が報告されています。
流行期には、より一層の感染対策を徹底することが重要です。
※2参考文献「国立感染症研究所 マイコプラズマ肺炎の発生状況について」

マイコプラズマ肺炎には、残念ながら有効なワクチンがありません。
そのため、日々の基本的な感染対策が最も重要な予防法となります。
家庭での予防策は、マイコプラズマ肺炎だけでなく、他の呼吸器感染症の予防にも効果的です。
マイコプラズマ肺炎の予防には、基本的な感染対策が最も有効です。
手洗いは30秒以上かけて、指の間や爪の間、手首まで洗うことが重要です。
マイコプラズマの病原体はアルコールに弱い性質を持っているため、手洗いとアルコール手指消毒剤を併用することでより高い効果が期待できます。
また、部屋の空気をこまめに入れ替え、ウイルスが滞留しないようにしましょう。
感染者が使用したタオルや食器には、病原体が付着している可能性があります。
家庭内で感染者が出た場合、タオルや食器の共用を避けることが極めて重要です。
学校や職場では、集団感染を防ぐための対策が重要です。
マイコプラズマ肺炎は、インフルエンザなどとは異なり、明確な出席停止期間は定められていません。
厚生労働省と文部科学省のガイドラインに基づくと、以下のような目安があります。(※3)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出席停止期間 | 明確な規定なし |
| 休むべき期間 | 発熱や激しい咳など、症状が強く出ている急性期 |
| 登校可能の目安 | 解熱し、咳などのつらい症状が落ち着き、全身状態が良好になった時点 |
| 医師の判断 | 最終的な判断は医師と相談の上で行う |
| 学校への連絡 | 医師による登校許可証の提出が必要な場合がある |
発熱症状や咳症状がひどい急性期は出席停止となります。
子どものマイコプラズマ肺炎の症状は、発症してから高熱症状が数日続き、その間に咳症状があらわれ、夜も眠れないほどのしつこい乾いた咳が数週間続くため、睡眠がしっかりとれていない間は登校しないことが推奨されます。
急性期が過ぎて症状が改善し、全身状態の良い方は登園登校可能です。
※3参考文献「厚生労働省マイコプラズマ肺炎増加に関する学会からの提言について」
職場についても、明確な出勤停止期間は定められていません。
一般的には、以下の状態を目安にするとよいでしょう。
大人が発症した場合、発熱症状は子どもと変わらず数日間続きます。
もし熱が下がったとしても、解熱して2日間は様子をみた方がよいでしょう。
長引く咳などの症状が現れたら、まずは早めに医療機関を受診しましょう。
特に、以下のような症状がある場合は、すぐに受診してください。
早期に診断を受けることで、適切な治療を開始でき、周囲への感染拡大を防ぐことができます。
症状がある間は無理せず、自宅で休養することが大切です。
「症状が軽いから大丈夫」と無理をして学校や職場に行くと、周囲に感染を広げてしまう可能性があります。
特にマイコプラズマ肺炎は「歩く肺炎」と呼ばれ、症状が軽く日常生活を送れることも多いため、学校や職場では、個人の対策に加えて、組織としての対策も重要です。
「咳が長引く」「熱が下がらない」など、マイコプラズマ肺炎が疑われる症状があれば、迷わず早めにご相談ください。
銀座まいにちクリニックは、内科・アレルギー科などを土日祝も診療。丁寧な診察で、あなたの不安に寄り添います。
マイコプラズマ肺炎の治療には、病原体そのものに効果のある抗菌薬(抗生物質)が用いられます。
マイコプラズマ肺炎に有効な抗菌薬
| 抗菌薬の種類 | 代表的な薬剤 | 備考 |
|---|---|---|
| マクロライド系 | クラリスロマイシン、アジスロマイシンなど | 第一選択薬 |
| テトラサイクリン系 | ミノサイクリンなど | 8歳未満は原則禁忌 |
| ニューキノロン系 | レボフロキサシンなど | マクロライド系が効かない場合 |
マクロライド系抗菌薬は、マイコプラズマ肺炎の第一選択薬として使用されます。
ただし、マイコプラズマ感染症は基本的に自然治癒する疾患です。
必ず抗菌薬治療が必要なわけではなく、肺炎、気管支炎などのレントゲン所見がある場合に限り治療対象とすることが一般的です。
近年、マクロライド系の抗菌薬が効かない「薬剤耐性菌」が世界的に問題となっています。
抗菌薬を処方された際は、以下の点に注意しましょう。
服薬指導のポイント
薬を飲み始めて2~3日経っても熱が下がらない場合は、耐性菌の可能性も考えられるため、再度医師に相談することが重要です。
抗菌薬は正しく使用することで、自分自身の治療だけでなく、薬剤耐性菌の出現を防ぐことにもつながります。
医師の指示をしっかり守り、適切に服用しましょう。
ここでは、マイコプラズマ肺炎の感染に関して、特によく寄せられる疑問にお答えします。
マイコプラズマ肺炎は大人でもうつります。
大人が感染すると、子どもより症状が重くなる傾向があります。
長引く咳などの症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
残念ながらマイコプラズマ肺炎は一度かかっても、何度も再感染する可能性があります。
感染によって得られる免疫は時間とともに低下するため、数年経つと再び感染するリスクが生じます。
過去に感染したことがあるからと油断せず、流行期には基本的な感染対策を怠らないようにしましょう。
マスクや手洗いは、マイコプラズマ肺炎の予防に非常に効果的です。
基本的な感染対策を継続することで、マイコプラズマ肺炎の感染リスクを大幅に減らすことができます。
マイコプラズマ肺炎の出席停止期間には明確な規定がありませんが、いくつかの目安があります。
急性期が過ぎて症状が改善し、全身状態の良い方は登園登校可能です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出席停止期間 | 明確な規定なし |
| 休むべき期間 | 発熱や激しい咳など、症状が強く出ている急性期 |
| 登校可能の目安 | ・解熱している ・咳などのつらい症状が落ち着いている ・全身状態が良好 ・医師が登校可能と判断 |
| 医師の診断書 | 学校によっては登校許可証の提出が必要な場合がある |
最終的な判断は、医師と相談の上で行うのが最も確実です。
各診療科の特徴や受診の目安を理解しておくことで、スムーズに適切な医療へとつながりやすくなります。次に、銀座まいにちクリニックで実際に行っているマイコプラズマ肺炎の診断・治療の進め方についてご紹介します。
銀座まいにちクリニックでは、できるだけ早く症状を改善へ導くために、丁寧に原因を探り診療を行なっています。
一人ひとりの症状や背景に合わせて「なぜ咳が続くのか」を明らかにし、最適な治療方針をご提案します。
診療の最初のステップは、丁寧な問診です。マイコプラズマ肺炎は潜伏期間が長く、家族や職場で流行していることが多い病気のため、感染経路を丁寧に探ります。
問診内容と症状からマイコプラズマ肺炎が強く疑われる場合は、迅速な治療開始のため、特異的な検査を最優先で行います。
検査結果を総合的に評価し、次の治療ステップへと進みます。
診断が確定した場合、マイコプラズマに効果のある抗菌薬を中心とした治療を迅速に開始します。
単なる「咳止め」ではなく、原因菌に直接アプローチすることで、症状の早期改善と再発予防を目指します。
長引く咳や原因のわからない不調は、集団感染を防ぐためにも早めの対処が大切です。 銀座まいにちクリニックでは、平日夜や土日祝日も診療を行い、忙しいあなたをサポートします。つらい症状は我慢せず、どうぞお気軽にご相談ください。
この記事では、マイコプラズマ肺炎のうつる確率や感染経路、予防法について詳しく解説しました。
最後に、重要なポイントをまとめます。
マイコプラズマ肺炎は、特に5~14歳の学童期に多く発症しますが、大人も免疫がなければ感染する呼吸器感染症です。
長引く咳や発熱など、気になる症状があれば、決して自己判断せずに、かかりつけ医や専門の医療機関に相談しましょう。
早期に診断を受けることで、適切な治療を開始でき、周囲への感染拡大を防ぐことができます。
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土日祝 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 09:30-14:30 10:00-14:30 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
| 16:00-21:00 16:00-19:00 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
| 09:00-13:00 | 〇 | |||||
| 14:00-18:00 | 〇 |
休診日なし
※現在時短診療中
※受付は診療終了時刻の30分前までとなります。
※ご予約のない患者様も随時診察しております。
※午前診療時間は比較的空いております。
※お急ぎの場合は事前予約をお勧めいたします。

| 住所 | 東京都中央区銀座4-13-11M&Sビル4階 |
|---|---|
| 電話 | |
| 診療科目 | 内科・耳鼻科領域・皮膚科・ 泌尿器科・アレルギー科・自費診療 |
| 診療時間 |
|
| 休診日 | なし |
© 銀座まいにちクリニック